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グランドピアノの白鍵盤の貼り換え作業

2018/11/17
グランドピアノの鍵盤

ヤマハグランドピアノの白鍵盤にひび割れが目立って来たので、貼り換え修理の為、お預かりして来ました。画像は剥がした状態です。剥がすには、アイロンと濡れ雑巾を使用します。1台分を剥がすのは手間と時間がかかります。新しく貼るのは更に大変です。接着、圧着、接着剤が乾いたら、鍵盤からはみ出た部分を削らなければなりません。削り過ぎると、鍵盤が細くなってしまいますので要注意です。また弾く時に角が指に触れる部分の面取りをきちんとしないと、痛く感じる時がありますので、これもきちんと面取りをします。納品後、とても綺麗になったと、喜んで頂けました。

この鍵盤はヤマハのプラスチック系の、「アクリペット」と言う素材のものです。ヤマハの上級機種にだけは、アイボライト鍵盤を使用しています。以前は人工象牙鍵盤として、「ニューアイボリー」を使用していました。触感は象牙に似せて作った鍵盤でしたが、吸湿性も良すぎて、変色やひび割れなどが多く見られました。これを使用するのを止めて、新しく作ったアイボライト鍵盤を代わりに使用しています。見た目は一般的なアクリペット鍵盤よりはやや黄色味がかっていて、アクリペットよりは弾いた時に若干すべりにくい感じはありますが、ニューアイボリー鍵盤の方が弾き心地は良かったかな?と思います。その点高級ピアノは、昔はよく象牙鍵盤が使用されていました。象牙等は、国際取引を規制するワシントン条約で今では輸出入が禁止されています。国内で以前からストックされている分に関しては貼る事が出きておりましたが、その数もだんだんと減って来て、最近ではフルコンサートピアノでも使われなくなってしまいました。それに伴い、象牙を加工する職人さんもいなくなってしまいました。今では中古の象牙を綺麗に剥がして、それを割れた鍵盤の修理用として使うくらいです。象牙鍵盤のメリットは、汗ですべりにくく、弾く上ではとても弾きやすいです。デメリットとしては、使用していくうちに段々と黄ばんで来ます。黄ばみは漂白をする事によって、白く綺麗にする事も可能ですが、回数に限度があります。また使用して行くうちに、表面も減って来ます。とは言うものの、象牙鍵盤は弾きやすくて最高の素材だと思います。