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フルコンサートピアノの巻線の断線

2018/11/24
巻線の断線

地元にあるホールのフルコンサートピアノの巻線が断線しました。イベントで使用する為に依頼を受け調律をしたのですが、今回断線したのは低音の弦で、銅線が巻きつけられている「巻線」です。端から3番目のシの音(3B)でした。このピアノは32年ほど前にホールが出来た当初に入れられた、ヤマハのCF400万台の物です。約10年ほど前に、2番目のラ#(2A#)が断線して新しく張られている状態でした。毎回調律をする度に、この近辺がいつか切れるんじゃないかと思いながらやっていましたが、偶々その偶然に当たってしまいました。チューニングハンマーをチューニングピンに入れて、ちょっと力を入れて引っ張り上げた瞬間にバツン!と大きな音を立てて弦が切れ、ピアノの向こうに飛んで行きました。古くなると断線する確率も増えますし、偶々とはいえ凹みます。その後の巻線部分の調律は恐る恐ると言う感じで、他も切れませんように!と思いながら調律する事になります。時々、その様な機会にあたる事があります。このCFは5~6年ほど前に、アクション系の修理を担当致しました。その際はすべてヤマハの純正パーツを使用しましたが、ハンマーアッセンブリー、サポートアッセンブリー、鍵盤のバランスとフロントブッシングクロスを交換致しました。新しいハンマーはとても柔らかく、針をいれるのも片側6~7回くらいでした。ヤマハではありますが、スタインウェイに近い響きが出せたと自己満足ですが、いい仕事が出来たかなと思いました。元に戻りますが、今回の断線をしてから、新しい弦をヤマハに注文して、約10日程で届きました。巻線を張るのに、約3回転半ゆっくり丁寧に戻します。ヤマハの新しい巻線は寸法がきちんと出来ているので、切る必要もなくいい感じで張れました。最後に半回転分だけポンチで打ち込み元通りです。トルクも緩くならず修理完了です。弦が馴染むまで半年から1年くらいはかかりますが、これでこの弦に関しては安心して調律出来ます。