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グランドピアノの大屋根角蝶番の交換修理

2019/02/21
角蝶番交換

都内在住で、普段から交流をさせて頂いております調律師仲間のお手伝いで、共に修理に行って来ました。とある小学校の体育館のグランドピアノなのですが、通常のピアノのキャスターに、ピアノを自由に動かせるタイプの四輪付きのキャスターが履かせてありました。子供の力でも、簡単にピアノを移動出来るアイテムなのですが、おそらく勢い余って壁に激突させてしまったのでしょう。大屋根の奥側がドンと当たった衝撃で、ピアノ本体と大屋根を繋げてあります「角蝶番」と呼ばれる部品が曲がってしまいました。取付けてあるビスも吹っ飛んでいて、ネジ穴も広がっていました。今回はこれを直す修理のお手伝いで都内に出向きました。そもそも大屋根は流石に一人では外せませんので、最低2人は必要です。

まず大屋根を外し、曲がってしまった角蝶番を外します。広がってしまったビス穴の埋木修理をします。その後新品の角丁番をあてがい、取り付けたいビスの真ん中にくぼみを付けます。新しいビスを取り付けて本体は完了です。次に大屋根の内側についている金具もセットで交換します。これで終わりかと思いきや、もう一つの手前の蝶番も確認をしたところ、微妙に曲がっています。こちらは一旦外して、トンカチで曲がりを修正し、再度取り付け直しました。大きな曲がりではなかったので、元々の部品が使用出来ました。大屋根を取り付け、L字金具を挿して完了です。問題なく完璧に仕上がりました。

学校のピアノは普通では考えられないいたづらなどもあります。時には音を止めている、ダンパーフェルトを触られて、ダンパーの角度が狂ってしまい、止音不良をおこしたり、と言う事もあります。興味があって色々と触りたい気持ちも分かるのですが、内部の部品は触ってほしくない所ですね。